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育児というのは、じゃじゃ馬を飼い慣らすようなもの(3)

西山桂(教育学部)

子育てが大変なのはウチだけじゃないはずだ。では、よそ様の家庭ではどんなふうに取り組んでいるのだろう?じゃじゃ馬ではなくて野次馬根性だけれど、興味は尽きない。そこで今回は私の周囲の友人たちに登場してもらい、育児体験や思いを熱く語ってもらおう。(文中仮名)

中沢さんの場合

子ども:1歳代
仕事:作家、かつ大学勤務
西山との関係:惚れ込んでいる作家さん

中沢さんはアジアの交通事情に関する執筆活動を続けていて、単行本の執筆とともに新聞・雑誌への寄稿を積み重ねている。私も以前からのファンで、直筆サイン入りの著書まで持っている。ふとしたことから、中沢さんは実は育児休暇を取得した経験もあることが分かった。

「男性の育児休暇ってまだまだ珍しいですよ。一昨年、娘が6か月過ぎのとき1か月半ほど取得しました。人事部の、特にベテラン職員からは『ええっ、男が育児休暇?』って感じでしたね。男子厨房に入らずというのはまだ死語じゃないんです。結局は、おかげさまで、職場の人も休暇を取る私を暖かく見守ってくれました」

「育児休暇を取ろうと思ったのは、妻のキャリアのこともあるのですよ。妻も産休・育休を1年取り、これ以上は延ばせない。娘の面倒は誰かが見なきゃいけないわけで、1か月ちょっととはいえ私がその役目を集中的に担いました。パパの育児という美談を作り上げるというよりも、むしろ切羽詰まってという面はあります」

「世間からは『まあ、パパが育児なんて偉いわね...』って褒めてもらえますよ。私は家事も育児も当然のことをやってるだけなんですけど。男性の育児関与が進んでいない困った社会状況の裏返しですよね。それと、妻からは文句なしに感謝されますよ」

「育児に専念してみて初めて分かったこともあります。妻が娘を市立の保育施設に連れて行ったりするときに、『ママ友』というのは自然にできるんですよね。私も長女を通じてそのコミュニティを引き継いだことで、地域とのつながりができました。こういうご縁は、職場から得られる人間関係とは全く別のものなんです。復職後の仕事にも、大変いい影響が出てきました」

---中沢さんは、関東地区の私立大学事務局勤務でもある。
「私立大学って学生さんにアピールするために高校訪問は必須だし、推薦、AO入試とかいっぱいあって大変なんですよ」

---それはウチも同じです(笑)。ところで次の執筆予定は?
「台湾の交通事情について書く予定です。どうぞまたご贔屓に」


油川くんの場合

子ども:中1と小5
仕事:金融関係
西山との関係:学生時代の友人

技術者や研究者を目指している大学同期が多いなかで、油川は専攻した内容とは打って変わって金融業界へ進んだ。職業柄か、結婚も同期のうちで最も早い部類に属する。子育て、そしてマイホーム取得といったライフイベントに関して「同期トップ」をひた走っているようだ。同級生でありながら、生活面では私より一歩も二歩も先を行く「よき相談相手」でもある。

「この前の4月から、嫁はんと子どもとを大阪の自宅へ帰したんや。子どもの進学の都合とかあって。俺も東京に単身赴任やがな。まあ、東京では会社の寮なんでメシも付いてるし、家事に関しては心配あらへんけど」

---ウチも子育てやら何やらで、もう大変やがな。
「育児っていうのは、できるときにしとけっていうことや。俺も単身赴任になってから暇になって、日曜日とかプラモデル作ってんねん。俺、プラモも小学生のときから好きやったけど、会社入ってからは作る時間なかったわ。今から考えると、子どもと一緒に住んどったときはそれだけ育児に時間使かってたというのがよう分かった」

---お前の会社も、日本で有数の忙しいとこやと思うし、親父さんが育児する暇なんかあんの?
「それが今では、会社の上の方から父親も育児休暇取れとか言われとんのや。例えば5日間取ったら、前後に土・日をくっつけると9日間は連続して休めるやろ。ええ、俺? 俺のときは育児休暇は取らへんかったけど、最近子どもができた部下には取らせるようにしてるで。まあ、部下に休み取らせるのも仕事のうちやし、その辺の采配の加減も部長とかよう見てはんのや」

---単身赴任やったら、家族のつながりを保つのも一苦労やな。
「そう。月に1回は大阪へ帰るようにしてる。今は前もって買うたら飛行機も安いし。金曜の夜の羽田なんて、俺みたいに単身赴任中のやつが国へ帰るんでいっぱいや。西山もぶうぶう言わんと、せいぜい奥さん助けたれや」

育児や家事というのは本来、一生懸命やったからといって特に誰かがほめてくれるわけでもない。しかも、巧成り名遂げた男性の経営者や技術者の伝記を読むと、一切の子育ては妻に任せっきりという人も多いようだ。しかし現在、社会を挙げてお父さんの育児を後押しする雰囲気が醸し出されている。時代は徐々に変わりつつあるようだ。しんしんと降り積もる雪を眺めながら、そういうことを考えていた。

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