国立大学法人島根大学

島根大学 男女共同参画推進室

Home > 活動・取組の報告について > 育児するお父さんへのエール > 育休パパの迷走記(3)

育休パパの迷走記(3)

丸橋充拓(法文学部)

前回は「専業主夫になってはじめて見えてきたこと」を書き連ねましたが、育休を取ったからといって別に自分が「特別な人」になったわけでなし。

親としてはしょせん新米ですから、ベテランパパさんの目には未熟に映る発言もあったかと思います。

実際育児が本当に大変になったのは復職後、妻ともども「仕事と育児の両立」生活に突入してから(保育所に通い出しても息子は風邪を引いてばかり。
これほど仕事が寸断されるものとは知りませんでした)。
制度の整わぬなか頑張ってこられた諸先輩には頭が下がるばかりです。
したがって環境整備が進む現状に際会できたことは誠に幸運、というのが基本的な思い。
課題はもちろん山積していますが、制度面に対する私見は別の機会に譲りたいと思います。

制度以前にどうしてもひっかかるのは、繰り返しになりますが育児における「父の自意識」のこと。
ちょっと前にはCMやら何やらで「男親であること」の価値をえらく称揚する場面にしばしば出くわしたものですが、あれは本当にウケていたのでしょうか。
うちのパパも「男の自意識」をくすぐられ、結果として「育児するパパ」に変身してくれるのならそれも良し、という感覚があのトレンドを後押ししていたのでしょうか。
でもちょっと待ってください。
その路線の行き着く先には、前回書いた「自意識過剰パパ」「自作ストーリーのヒーローパパ」が跋扈しますよ。
育休の間に「男の自意識」をすっかり抜かれてしまった私など、「父親の資格なし、即刻退場!」と言い渡されかねないところでした。

ただ、冷静になって現実を見渡してみれば、周りの若いパパたちは軽やかに自分なりの育児スタイルを選んでおいでの様子。
異なる価値観につい噛みついてしまう私などはオールド・パパの変種であって、あれこれ心配したところで結局杞憂なのかもしれません。
ともあれ、そんな話ができるのも「男性の育児」が人口に膾炙してきている証左。
となれば問題を「女性の社会参加サポートの一翼」という位置に据え置いておくのは勿体ないようにも感じます。
「お客様」から「当事者」へと意識転換済みのパパが増えている今、育児は「男性自身のライフデザイン」という視点からも議論可能な地平に至っているのではないでしょうか。

息子とめぐりあい、私自身の心の持ちようはびっくりするほど変わりました。
最大の変化は、「自分の死が受け入れられるようになった」こと。
22世紀は自分にとって現実味のない未来だけど、2007年生まれの彼なら2101年の世界を見られるかもしれない。
自分がいなくても、こいつが生きてくれているのだったら、それもいいかな、と(もちろん「今死ぬこと」はとても困るのですが)。

「楽しげに伸びゆくさまが、周りの人の心にも届くような人に」との願いを親から受けた息子は、その名の通り欣々として私たちに幸せを運んでくれています。
今は「恐怖の2歳児」に振り回されっぱなしの毎日ですが、子どもとの間は「リソース(エネルギー、時間、お金)の競合関係」という次元でとらえないようにと自分に言い聞かせつつ、一生涯にそう長くないこの時間を家族みんなで大切に過ごしたいと願っています。

子育てサポート企業「くるみん」 しまね子育て応援企業「こっころカンパニー」 しまね子育て応援企業「こっころカンパニープレミアム」