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イクメン修行中なう(3)~1歳児の父親編~

家島明彦(教育開発センター)

QOLとは、Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ)の略語で、「生活の質」や「人生の質」などと訳されます。近年では、特に主観的QOL(すなわち、精神的な豊かさや人生に対する満足度)が重視されています。

一方QORとは、Quantity of Research(クオンティティ・オブ・リサーチ)の略語で、「研究の量」のことです。QOLをもじって勝手に考えた造語ですが、若くして親となった研究者の悩みには、QOL(Quality of Life/生活の質)とQOR(Quantity of Research/研究の量)の間のジレンマや葛藤が多いように思います。父親になったからには子育てを楽しんでQOLを高めたいところですが、一方で、業績数で評価される研究者はQORも求められているからです。

今回は現在進行形の「1歳児の父親」期を振り返りながら、QOLとQORのバランスについて考えてみたいと思います。

~1歳児の父親編~

「可愛くて仕方がない!」

これが現在のわが子(1歳8ヵ月)に対する想いである。夜泣きやミルクを卒業し、自分から笑顔を見せたり歩いたりするようになってから一段と子どもに対する愛情が増した気がする。2歳になると“Terrible Twos”(魔の2歳児)などと呼ばれるくらい手がかかる(育児が大変になる)ようなので、ある意味、今が一番かわいい時期なのかもしれない。ともかく、「1歳児の父親」期に僕は子煩悩になってしまった。

しかし、現在の僕は期限付きプロジェクトの予算で雇われている任期付き(再任なし)という身分であり、博士論文も未提出のままになっている。今後のことを考えても、若いうちに業績をしっかり積んでおく必要がある。それは十分に理解しているのだが、勤務先の業務が忙しく、家に帰ってからも最低限の家族サービスをするのが精一杯で、なかなか研究のためにまとまった自分の時間を作ることができないでいる。睡眠時間を削ったり寝袋で大学に泊り込んだりしていたのだが、そうすると注意力が低下してしまい、車をこする回数が増えてしまった(涙)

そんな中、Fathering(ファザーリング)という言葉と出会った。「父親であることを楽しむ生き方」というフレーズは魅力的に思えた。また、どこかで見聞きした「研究は後からでもできるが、この子の■歳の成長を見ることができるのは今だけ」というようなフレーズにもハッとさせられた。もちろん若いうちしかできない研究もあるし、今後もっと研究しにくい環境になる可能性もあるのだが、家庭を置き去りにして研究をするということが急にカッコ悪いことに思えてきた。それ以来、優先順位をつける際には「今しかできないことかどうか」を考慮し、プライスレスな育児参画をなるべく優先するようになった。

研究者にとってQOL(生活の質)とQOR(研究の量)のバランスは重要である。昔は「研究者たる者、QOLを犠牲にしてでもQORを高く保つべき!」と信じ込んでいたが、そうではないことが最近わかってきた。QOLとQORは互いに牽制し合うものではなく、互いに高めあうものである。同じように、家庭(育児)と仕事や研究はゼロサム関係ではない。片方に専念するために残りの片方を疎かにするのではなく、片方に専念するために残りの片方も充実させることが重要なのだ。

そんなわけで、これまで試行錯誤しながら父親を経験してきたわけだが、まだまだイクメンの“見習い”レベルでしかない。10月には第二子(今度は女の子らしい)が誕生予定なので、ますます妻へのサポートが必要となる。イクメン力(いくめんりょく)を鍛えなければ。イクメン修行は続く……

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