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イクメン修行中なう(1)~プレパパ編~

家島明彦(教育開発センター)

育(イク)児を楽しみ積極的に行う男性(men)のことを「イクメン」と呼ぶそうです。また、妊娠している女性のことをプレママと呼び、その夫(パートナーが出産を控えた男性)のことをプレパパと呼ぶそうです。

私は「育休」経験が無いので育休体験も育休論も語れないのですが、現在1歳半の息子がいるので、今回は「プレパパ」期、「0歳児の父親」期、「1歳児の父親」期の3回に分けて自分の父親生活について振り返ってみたいと思います。

特に、1人目の子は切迫流産で、あと1日早く生まれていたら早産、あと45グラム体重が少なかったら未熟児というヒヤヒヤ体験もありましたし、「若い時の研究業績づくり」と「育児」の間で今まさに葛藤している(現在進行形の)経験についてもリアルに語れたらと思います。

~プレパパ編~

「私たち親になったよ♪」

その吉報を国際電話で聞いた時、僕はシカゴでパスポート含む全貴重品を盗まれて日本に帰国できなくなっており、かなりションボリしていたのだが、テンションが急上昇して思わず「マジッすか!」と叫んだのを覚えている。ところが、フィールド調査から日本に戻って来た途端、切迫流産(このままだと流産してしまうかもしれないというピンチの状態)であることが発覚し、テンションは再び急降下。彼女は急遽「寝たきり状態」となり、トイレの時以外は横になって安静にしておかなければならなくなった。

そんなわけで、僕のプレパパ生活は介護からスタートした。ある意味、幸運だったと思う。出勤前と帰宅後に家事全部と妻の世話をする生活が数カ月続いた。食事はもちろん、介護用ウェットタオルで身体を拭いたりドライシャンプーで頭を洗ったり、下の世話以外は全部やった気がする。それまでの自分は介護とか正直やりたくないと思っていたのだが、必要に迫られたら意外とやれた。それは、今までと違う自分との出会いだったように思う。切迫流産という未知の恐怖のおかげで、非常に謙虚な気持ちと真摯な態度でプレパパ生活をスタートさせることができたのである。

ところが、幾分かして妻の体調が良くなってくると、プレパパとしての気負いが裏目に出始めた。大学院では生涯発達心理学を学んでいたので、それこそ所属ゼミには赤ちゃん研究をしている先輩後輩がたくさんいたし、自身も乳幼児発達に関しては多少の知識があった。が、悲しいことにプレパパ時代にそれらの知識が役立つ機会は皆無に等しいくらい少なかった。それどころか、胎教という大義名分を振りかざして妻からテレビや激しい音楽を取り上げ、妻にとって興味のないクラシック音楽を強要していた。妊娠期間中のストレスは厳禁なのに、逆にストレスが溜まるような仕打ちをしてしまっていたのである。そのことは妻に後から言われて気づいた。今は反省している。

結局のところ、プレパパに求められるのは「プレママ第一主義」(謙虚な気持ちと真摯な態度)であると思う。プレママが精神的にストレスフリーで伸び伸びと妊娠期を過ごすことが、お腹の子どもにとっても一番いいとしたら、プレパパはプレママのメンタル・ケアに最大限の注意を払うべきである。ただ、言うは易し、行うは難し。実は現在2度目のプレパパ期が到来しているのだが、今回は切迫流産でもないし初めての妊娠でもないので、前回よりも妻へのサポートが減ってしまっている(汗)でも、その代わりテレビの制限やクラシック音楽の強要はしていない。

プレパパの精神的健康を損なわずにプレママの精神的健康に気を遣うためには、「プレパパを楽しむ」という発想が必要になる。意識的に「楽しもう」としている時点で、自分はまだ真の意味でその境地に至れていない。まだまだプレパパ修行中である。

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