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父親の育児参加の例―妻が専業主婦の場合(1)

浅田 健太朗(法文学部)

特に育休も取っていないし、子育てで特別な苦労や工夫もしていない。そんな私がこのコラムの執筆を担当することになりました。あまりにも平凡な我が家の子育てについて今でも何を書いていいのか迷っていますが、長男が生まれた当初、妻は専業主婦でしたので、そのような家庭における父親の育児参加の一例をご紹介しようと思います。そのような家庭においては、子育ては母親に任せて父親は外に働きに出るというのが、まだまだ一般的な形かもしれません。しかし我が家では、私が初めての子育てに浮き足立っていたからか、息子の世話に多くの時間を割いていた気がします(恐らく妻には異論がありそうですが)。今回のコラムでは、長男が1歳になるまでに私が体験した苦労や喜びを書き綴っておきたいと思います。長男は現在5歳ですので、既に想い出が美化されているかと思いますし、都合の悪いことは忘れている可能性が高いことを最初にお断りしておきます。

妊婦検診に付き添い

妻が妊婦検診のときは、特に校務がなければ付き添って病院に行っていました。妻に持病があったので心配だったのもありますが、単に初めてのことに舞い上がって、張り切っていただけのような気もします。検診では、担当の医師や看護師、患者さんのほとんどが女性ばかりでしたので、何となく注目されているように感じられて落ち着かず、毎回オドオドしていました。我ながら自意識過剰だと思うのですが、このようなことは息子が5歳になった今も続いていて、幼稚園への送り迎えでお母さん方に囲まれると、身の処し方が分からず、挙動不審になってしまいます。そんな時、たまに出会うお父さんと目が会うと、少し心が通い合う気もします。錯覚かもしれませんが。

おろおろするばかりの出産

出産予定日から一週間ほど前に検査で母胎に異常が見つかり、緊急の帝王切開で出産となりました。そんな状況でしたので、とにかく母子の無事を祈りつつ手術室の前で待っていました。幸い母子共に健康で事なきを得たのですが、父親になった実感もなく、安堵感のみが長男誕生に伴う感情でした。しかしホッとしたのもつかの間、すぐに子育ての大変さの最初の洗礼を受けたのです。その病院は最初から母親と新生児を一緒のベッドで寝かせる方針で、私も病室で付き添っていたのですが、最初の夜、長男は一晩中泣き通しでした。妻は手術後で痛みもあるので、私よりもずっと大変だったと思うのですが、新米の父親としてもあやし方が分からず、ただおろおろと眠れぬ一夜を過ごしました。ただ、一日中長男の顔を見ているうちに、徐々に愛情が湧いてきて、自分が父親になったことを実感していったように思います。一方で、父親としてやっていけるかという不安はあったのですが(もちろん今もあります)。

家事・お風呂・おむつ換え

退院直後は妻の調子が優れなかったこともあり、今では考えられないことですが、食事の準備や掃除などをする機会が多かったと思います。妻には休養と授乳になるべく専念してもらうように配慮していたつもりですが、これも自分に都合のいいように記憶が書き換えられている可能性もあります。子どもの面倒は、お風呂に入れたり、おむつを換えたり。最初はおっかなびっくりでしたが徐々に慣れて、自分の父親ぶりに自己陶酔しながら生活していたような気がします。でも、その自己陶酔こそが、家事・育児・仕事をなんとかこなせた原動力だったのかもしれません。正直に告白しますが、その陶酔から醒めてしまった第二子のときは、あまり家事や育児を手伝わなくなってしまいました。反省の気持ちもありますが、もう二度とない機会を逃してしまったなと後悔しています(まだ遅くない!という妻の声が聞こえてきそうです)。

母親が入院!

長男が1歳になる直前、妻が1週間ほど入院したことがありました。親子3人で過ごしていた日常が一変し、異常事態に陥ったのです。幸い実家から両親が手伝いに来てくれたのですが、それでもミルクやおむつ、寝かしつけなどは自分でしないといけません。特に寝かしつけは、母親が恋しい時期ですし、母乳を欲しがってえらい騒ぎでした。世の母親が当たり前のようにやっている、夜中にミルクを用意し与えるという行為が、とんでもない苦行に思えました。眠い、仕事をしたい、ちょっとゆっくりしたい、などのさまざまな欲求がごちゃごちゃに入り交じって、不満をどこにぶつけていいか分からなくなった晩もありました。でも今は、強制的にあのような父子だけの時間が持てたことを幸運に思っています。

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